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サント・アポリナーレ聖堂 in クラッセの中に入るやいなや、その壮大さに圧倒されて、鮮やかなモザイクの描かれた後陣に引き寄せられる如くゆっくりと進み出した。
祭壇に近づくと、その後陣の荘厳さと迫力に驚いた。
 
この聖堂は、6世紀前半に建てられたものだが、この日 ラヴェナで見て来た数々のモザイクと比べ、身廊の規模といい壮大さといい最も見事であった。さらに、ここのモザイクはライトグリーンが多く使われているのがとても印象的。まるでこの聖堂の周りの青々とした大平原からアイディアを得たのだろうかと思うほどライトグリーンが豊富に使われていた。
祭壇に立ち、後陣モザイクを暫くじっくりと眺めると、黄金の空に十字架があり、朝日を表したもののように思えた。そしてその黄金の空の下にはライトグリーンの平原が広がり、木々や草花、鳥たちが描かれていた。平原の中心に立つのは、この聖堂を献じられたラヴェナ最初の司教、Sant’Apollinare 聖アポリナーレ。その周りに集まる12頭の子羊は十二使徒を表しており、さらに、平原には十字架を見つめる3頭の子羊がおり、Peter ペトロ、James ヤコブ、John ヨハネの3人の使徒を意味している。
 
聖アポリナーレをよく見ると、頭部付近に "SANCTVS APOLENARIS" と銘字があった。聖アポリナーレは両腕を上げイエス・キリストを表す十字架に祈りをこめている。 凱旋のアーチの頂点には、キリストが祝福するモザイクが描かれていた。
 
外に出ると、目の前には大空とライトグリーン。まるでほんの今見た 聖堂のモザイクの中にいるような気がした。希望と喜びに満たさせた気持ちであった。
 
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